キーワードは5つ。
1>向いてる素材=リアルなギャップを持っていること
2>磨くべきセンス=セルフプロデュースのセンス
3>備えるべき考え方=余裕と信念
4>芸能界の流れ=アナログ回帰
5>そして、タレントとして持つべき力=出逢いを待つ力
今回は、この5つのキーワードを、解説します。
芸能界デビュー傾向と対策|平成30年度版
「出逢いを待つ力(ちから)」とは
「芸能人は、待つのも仕事」とは、現場でもよく使われる言葉です。現場では待ち時間というのが非常に多いがゆえに使われる言葉ですが、ここではまず「出逢いを待つ力」というキーワードについて説明します。
芸能人やタレントというのは、個人事業です。たとえ大きな芸能事務所に所属していたり、大きなスポンサーがついていたりしていても、商品自体があなた個人であるかぎり、あなた自身に商品価値がなくなれば、いつ契約解除になるかもわかりません。でも商品価値があるならば、たとえ芸能事務所に所属せず、フリーであっても、あなたのアーティストとしての価値は下がることなく芸能活動を続けることができます。
ただし、ここで大事なことは、たとえあなた個人に才能や技術があっても芸能人の個人の力だけでは、デビューやヒットはありえないということ。
世の中には才能(タレント)があふれていますが、それでもヒットはなかなか出ません。でも、才能と才能が出逢った時。そのときこそヒットが生れるのです。
たとえば、自分に本当に合った芸能事務所に出逢えることや、自分の素材を活かしてもらえるディレクターに出逢えることや、自分のライフラワークともいえる出演作品に出逢えることや、自分の価値を認めてくれるスポンサーに出逢えること。こんな奇跡的とも言える程の良い出逢いがあればこそ、ビッグスターやヒットというものが生まれるのです。
しかし、本当に良い出逢いというものは、そう簡単にはやってきません。そこで出たひとつの答えが、「出逢いを待つ力」。待つことは誰にでもできることではありません。「出逢いを待つ力」を持っていることが良い出逢いを掴める必須条件なのです。しかもただ待つだけではありません。具体的にはどういうことなのかさらに書き出してみました。
- あせらずに待てる力=芸能界に入って(もしくは目指して)から、少なくとも2年以上は待とう。
- 出逢いを呼び込む力=技術を磨くのはあたりまえ。さらに人間力を磨いて、呼び込む力を育もう。
- 本当に良い出逢いか判断する力=速くデビューしたいとあせる気持ちが、その判断力を鈍らせる。判断力を磨こう。
情報量が多い現代。今は出逢えるチャンスもさらに増えてきいます。
本当に良い出逢いを待つ力。これを鍛えましょう
「セルフプロデュース」の大切さ
現在のネットワーク社会の中では、ますます「個」の力が大切になっていきます。そこで芸能界では「セルフプロデュース」をできるかどうかが、大きなポイントになってきます。「セルフプロデュースとは何か」については、実際に成功したタレントの具体例と共に過去の記事で綴っています(「セルフプロデュースとは何か|最新プロモートの方法」)ので、そちらをご覧ください。ここでは、セルフ(自分で)プロデュースをすることの、一番大切なポイントを説明します。
芸能人や、アイドルというのはユニットやバンドとしての活動をしている間は、「グループ」として、プロデュースされることになります。しかしグループも永遠ではありません。いつかは解散や脱退をして一人で芸能活動をすることもあるでしょう。さらに現在では、ユニットや劇団を掛け持ちで携わる芸能人や、タレントも少なくありません。そんな環境で自分の立ち位置を見失わず芸能界で生き残り活動していくためには、自分というタレント(才能)の商品価値をプロデューサー目線で見ることができるかどうか、というのがとても大切です。しかし「自分でプロデュースをする」ということの一番の難しさは、どれだけ「自分を客観的に見られるか」というところにあります。
そのセンスを磨くことが、セルフプロデュースを成功させるために一番大切なことです。
センスの磨き方についても、過去の記事で掲載していますので、ぜひ参考にしてください。(「センスの磨き方」)
セルフプロデュースのセンスを磨くことの大切さとは、
観客目線を持てるようになる。ということ
「アナログ回帰(かいき)」とは
歌手としての視点をとりあげると、レコードからCD、CDから配信と目まぐるしく変わる楽曲の提供システム。そんな中で音楽業界ではすでに、YouTubeで音楽が無料で聴けるという現実や、聴き放題というシステムの出現で、「楽曲自体にお金を払う」という概念すらなくなりつつあります。そこでCDはもとより、有料配信の業界でも売り上げの伸び悩みが始まっています。
俳優の視点からみても、ごく限られたテレビの出演枠を取り合い疲弊してやっと出演すれば予算の削減を目の当たりにする。やっと出演できた映画でも観客動員の減少による予算の削減が、俳優の収入に影響することがたやすく予想されます。
しかし、そんな音楽業界や演劇(ドラマ)の業界にあって、売り上げが伸びているコンテンツがあります。それは、「音楽ライブ」であり「生の舞台観劇」です。
他人とのふれあいがますます少なくなっていく社会にあって、観客にとっては「本物の実力を持ったアーティストの世界観に浸り、他人と感動を共有できる空間にはお金を払ってもいい」という価値観が増してきているのではないでしょうか。押しつぶされそうなほどのデジタル情報の中で、編集やデフォルメができない「アナログな世界」に安心感を覚えて、アナログな感覚に帰っていく。
これからは、ライブや生の舞台に強い「実力」が必要になるのです。
それが「アナログ回帰」に備える。ということ
「リアルなギャップを持っている」ということ
いつのころからか「ギャップがあることがモテる条件」と言われ出して久しいですね。芸能界の歴史をみても、「悪役商会」がブームになったのは、「あんな怖い顔をしてるのに、しゃべるとすごく可愛い」というギャップがあったからです。これはおそらく本能に訴えかけるものとして、「ギャップ」というものは、世代を超え形を変えて今なお注目される要因になっています。正統派のアイドルや芸能人がすぐに飽きられてしまうほど、サイクルの早い現在の芸能界では、敢えてギャップをつくることがあらゆる場面でテクニックとして使われていることが増えています。
たとえば、アイドルのようなグループがヘヴィなロックを歌う。
モデル級のスタイルで、「キレッキレで予測不能」なダンスをする。
などの、「これまでの常識とのギャップ」でヒットしているグループなどが好例です。
では、芸能人やタレント個人としてはどうか。アイドルらしからぬ過激な発言・行動をしてギャップを演出する。見た目可愛いのに、変顔やぶっちゃけトークを得意する。などなど、いろいろな表現手法があります。しかし、「個」のギャップを出したいために、過剰なほどの演出が透けて見えると、感性が鋭くなっている見る側にとっては「それって造られたギャップだよね」という、距離感を感じてしまうことにつながるのです。
しかし今後も「ギャップ」というものが、話題を呼び注目を集めるであろうことは変わりません。そこでこれから、価値を上げていくのは、観客にとって距離感を感じさせない「リアルなギャップ」というものです。
その、「リアルなギャップ」とは、言い換えるならば「天然のギャップ」であり、番組やディレクターによって造られたものでもなく、本人が意識しているものでもなく、もともとその人間に備わっている、見た目や性格から出るギャップ。これは、本人に備わっているものなので、マネをしたり技術を盗むことはできません。もしもライバルに「リアルなギャップ」を備えている芸能人やタレントがいたら、そこには近づかずに、被(かぶ)らないキャラクターを模索してみてください。
素材自体に備わっているギャップには、かないません。
それが「リアルなギャップ」です。
さいごに
「余裕と信念」が大切な理由
これだけ、早いスピードで芸能界のサイクルが動いてるのを体感すれば、気持ちもあせります。
でもそんな時代だからこそ大切なこと。
そしてこの記事に挙げたすべてのキーワードのベースになるのが、この言葉です。
「余裕と信念」
「余裕」があっても「信念」がなければ、根拠のない余裕になってしまいます。「信念」が先行しすぎてあせってしまっては、判断力が失せてしまいます。そして何よりも、そのどちらかが欠けることで、今まで支えてくれていた大切な人たちを失ってしまうことにつながってしまうのです。
芸能人になるためのキーワード。
すべてにとって大事な事。それが余裕と信念です。
平成30年。芸能界でチャンスをつかめるかどうかはあなた次第です。
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