俳優の役作りの正しい方法|台本が読めないと言われている方へ

芸能人になりたい|役作りの正しい方法

知らない方に話しかけられて愛想よく応えたら、私の後ろの方と話していたことに気づきました。恥ずかしい思いには慣れっこの、たちばなしんろうです。

 

さて皆さんは、せっかく台本や戯曲、シナリオをしっかり読んで現場入りしたにもかかわらず、「読み込みが浅いね」と、言われた経験はありませんか。

はたまた、自分の考えた役作りで何度演じても、「違う!」としかいわれなかったり。そんなつらい思いをした経験は、俳優をやり始めた新人の頃なら誰でもあるはずです。

そこで今回は、役作りの方法がまだわからないあなたに、絶対的に自信をつける、正しい役作りの方法を綴ってみます。

例題その1

俳優として新人のあなたに与えられた役は「となりに座る彼女」という役です。

台本のト書きには、「となりの彼女がうなずく」とだけ書いています。出番も動きもこれだけです。他のシーンには一切出ていません。

これだけの情報量だけであなたはどうやって役作りをして、演技プランをたてますか。

ありがちなのは、「この動きならだいたいこんな感じのアクションかな?」というような、まさに学芸会の見本のような演技であったり、自分の出番シーンだけをみて、自分がそんな場面にいたら→自分が想像した→自分ならそうするであろう→自分が一番良く(可愛く)見える演技をする。

「新人俳優あるある」です。

でもそれでは、台本を書いた方の「となりに座る彼女」を描いた意味もわからず、演出のイメージも想像できないまま、当たるか外れるかのどちらかで、ダメだし(演技の修正)を指示されても、なにがダメで、どう修正したらいいかもわからず、最後まで「こいつ使えねぇ。」という顔をされながら、帰りにヤケ酒を飲むしか方法はありません。

「だって、他に情報なんかないじゃん!」

と言いたいところは我慢してください。

 

役作りとは探偵小説の推理と同じ

さて、ここからが「となりに座る彼女」の性格や今の気持ちの作り方です。

まずは、台本上あなたのまわりにいる人物から推理を始めましょう。

となりにいる「彼」と思われる人は、どんな人物でしょうか。

自分自身をしっかり持ち、巨大な権力にも立ち向かう正義感の強い人物なのか。あるいは一見見優しいが、ドラマ後半では結婚サギ師だったことがバレる人物なのか。それを台本から読み解けば、そういう性格の彼と付き合っている「うなずく彼女」が、たとえ貧しくても彼との信頼関係を持つ凛とした女性なのか、結婚詐欺師に騙されてしまうような女性なのかという性格付けができてきますね。

そして、「うなずく」という行動になった理由が、向かい側に座っている刑事からの問いかけであれば、何かの理由で「犯罪を犯した彼」を、好きになってしまう性格であると読めます。いきなり現れた「彼の妻」と自称する女性からの突然の問いかけがあって、慌ててまごつく彼を見ながらのうなずきであれば、そこから彼の性格や「自称・彼の妻」と言われる女性の人物像が想像できます。それらを読むことで、彼が好きになる女性のタイプを連想し、自分の役の性格づくりや演技プランを作る土台にすることができます。

さらには、あなたが出ていないシーンで、あなたに問いかける刑事の性格が厳しく問い詰める性格であるのか、やさしく引き出す性格であるのかを読み解けば、あなたのうなずき方(タイミングや心情)を考える役作りの裏付けになるのです。

推理小説の中で、犯人や周りの人が残している、ちょっとした証拠などをてがかりに、探偵が犯人像を割り出すように、台本の中のてがかりを見落とさずに読み込む。

つまり、「台本を読む」「役作りをする」ということは、出演台本のすべての出演者の行動から、それぞれの人物像や、性格を把握して、それに関わる自分の役の性格を「推理」するということなのです。

この、推理小説においては推理の根拠と呼ばれる「裏付け」を探し出すことが、自分の役の役作り(性格付け)をするうえでの判断材料になるのです。

 

今後、台本を読むときには、「名探偵コナン」になったつもりで、他の役の行動までも細かく読み込んで、自分の役の役作りのヒントを見逃さず「正しい答え」を、探してみてください。

 




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