映画やドラマを観るとき、みなさんはどこを見ていますか?
どっぷりストーリーに浸かって、登場人物と共に泣き、笑い、成長する?
主役たちの演技から、少しでも技術を勉強しようと目を離さない?
いろんな観かたや楽しみかたがあると思います。
そして観終わったあとは、「ああいう作品に出てみたいなあ・・・」とため息をつくわけです。また、「ワンシーンだけ出ていたあの俳優さん。すごく印象深かった」と思うことも結構あるわけです。
・・・でも、どうせ出るなら主役で!
と思いますよね。大賛成です。
そこで今日は「主役の仕事」と「チョイ役の仕事」の違いについて書いてみますね。
ドラマや映画の撮影というのは、多くのシーンをちょっとづつ撮っていきます。それも台本の1ページ目から順番に撮っていくわけではなくバラバラに撮っていくのです。
そしてジグソーパズルのように、撮ったシーンをつなぎ合わせ一つの大きな作品になるのです。
その中でワンシーンの出演でも、ものすごく存在感を放ち、忘れられないキャラクターといえる役者さんたちがたくさんいます。色で例えるならキラキラの蛍光色や、原色だとしましょう。
それはそれは目立ちます。パズルのワンピースとしては大成功。でも、どんな役をやっても同じ色、同じ演技しかできなければ?
そのギラギラ原色ばかりでピースを埋めてしまうことになるのです。もう目がいたいし濃すぎて見ていられない作品になりそうですよね。シーンによっては邪魔になってしまいます。
そんな「ワンピース(一部分)しか見えない俳優」には主役は向きません。
では、セリフはどうでしょう。
主役ともなれば相当のセリフ量があります。ワンピース(一行)だけをみて、すべて同じテンション・同じテンポ・同じ力の入れ方でセリフをいえば、完成されたパズルは、ワンピースづつがすべて同じ幾何学模様の作品になってしまいます。また、そのシーンごとにメインが入れ替わるドラマの撮影では、自分を目立たせない演技をすることも必要です。時系列が前後すれば役の成長ぶりや気持ちの変化も前後します。
そんな中で主役や、名脇役をしている役者さんたちは、大きな作品の完成図を思い描き、演技プランをつくり役をこなしているのです。
つまり、主役を演じるということは、決してチョイ役演技の延長線上でもなければ、一言づつのセリフの集まりでもない。
「作品全体が見えていること」
「ゴールから逆算して演技プランをたてられること」
「作品を心から愛せること」
これが、私の考える主役の条件です。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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