アイドルになるには|戦慄かなのさんというアイドルについて

戦慄かなの

これまでの記事で私なりに考えた、いくつかの定義を綴ってきました。

「プロとアマチュアの違い」=自分を愛してるのがアマチュア。自分以上に作品とお客さんを愛せるのがプロ。
<参照記事=芸能人としてのプロとアマチュアの違い>

「アイドルとは」=年齢や性別に関係なく、交際情報や、結婚で人気に大きく影響が出るのがアイドル。
<参照記事=タレントと年齢の話|何歳までがアイドルか>
などなどです。

  ところが!

今や、アイドルの世界は、とりまく状況や概念が大きく変わってきているのです。

そこで今回の記事は、最新のアイドルの状況とヒットの法則を、綴ってみました。

題して

アイドルになるには|戦慄かなのさんというアイドルについて

です。


 インターネットが変えた芸能人の環境

インターネットの爆発的な普及は、私たちの環境を大きく変えました。それは、芸能人にとっても同じです。

マイナスな影響としては、悪口や、プライバシーの侵害などで、プライベートに深刻な影響が出ること。プラスの影響は、宣伝の発信がだれでも簡単にできるようになったことや、伝達力のスピードが格段に上がったことなどです。

さらにそれぞれのアーティストとしてのジャンルにより、インターネット上での影響は違いがあります。たとえば、バンドやシンガーソングライター、俳優、といった「生み出す作品のクォリティー」が重要なアーティストの場合は、効果的な宣伝や、作品の批評、著作権の管理などが、大きく影響します。

では、私が定義した「交際情報や結婚で、人気に大きく影響が出るアイドル」としての影響とは。

ファンにとって、疑似恋愛の対象ともいえる「アイドルのプライベート」には、とても興味があります。しかし、これまでの新聞やテレビ、アイドルファン向け雑誌などの情報は「発信する側が情報を選び、編集したものをファンが受け取る」という状況でした。つまりは、「アイドル」そのものはアイコン化されて、アイドル個人の考えや、プライベートについては、スキャンダルなどがなければ、情報を得ることはできませんでした。しかし、現在のネット社会では、好きなアイドルの関連記事や、過去記事などが真偽を問わずあふれ出る状況になり、プライベートな情報や、本人からにじみ出るパーソナリティーが、良くも悪くも大きな影響を与えるようになってきたのです。また、アイドル自身もネット情報の重要性を知っているため、SNSで効果的な発信をしています。


インターネットが変えたファンの環境

今や、新聞離れ、テレビ離れが進んでいるといわれています。これには、自分が知りたい情報や、観たい動画はすべてスマートフォンで見ることができるという背景があります。そこは、アイドルファンに限らず、芸能人やアーティスト作品の情報なども、知りたいときに検索さえすれば、公式情報・口コミ情報を問わず、大量の情報を得ることができるのです。さらに、一度検索すれば関連キーワードが検索上位に上がる仕組みがあり、検索しやすくなったり、キーワードに関連する宣伝記事などが集まるようにもなるのです。

このような環境は、新聞やテレビなどではあり得た「偶然に出会う情報」というものは、省くこともできるので「ムダなく、いつでも知りたい情報が得られる」というメリットがあるとともに「知りたい情報以外はあまり見なくなる」という情報の偏りも生みだしてしまうことになるのです。


アイコンから媒体へ

突然ですが、芸能人のアイドル度の調べ方があります。

SNSで芸能人本人が、彼(彼女)ネタをあげるとフォロー数が減ります。それが、芸能人のアイドル度です。

と・・・、今までは思ってきました

ところが、現代のアイドルの中には、「彼(彼女)がいることを公然と公表している」「ファンのコンプレックスな部分をあえてイジる」「SNSで本音としか思えないコメントを投稿して炎上してしまう」「絶対に笑顔をつくらない」「同性からの支持もすごく多い」などという、これまでの概念をぶち壊して「強烈でアクが強く、それでも共感を呼ぶパーソナリティー」を持つアイドルたちがとても話題になり、成功しているのです。

その象徴ともいえるのが、講談社が主催するガールズオーディション「ミスiD」です。

新しい時代にふさわしい価値観やスタイルを持った女の子を発掘し、育て、従来の芸能的枠組みに縛られず、その人にあったスタイルで世に出そうというネオガール・オーディション「ミスiD」。<https://miss-id.jp/>

そのエントリーメンバーのみなさんの個性は際立ち、特に2018ミスiDのサバイバル賞を受賞したアイドル「戦慄かなの」(せんりつ かなの)さんにいたっては、2年前までリアルに少年院に入っていたという経歴を持つアイドルです。当初は本人も「そのこと」を前面に押し出すこともなく、アイドル活動をしていたのですが「ミスiD」での審査経過中に注目され、現在では「少年院あがりのアイドル」というジャンル(?)を作りあげた女性です。

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<戦慄かなのさん|アイドルグループ「ZOC」のメンバー紹介写真より>

この戦慄かなのさんは、育児放棄されるという環境に育ち、その後非行にはしり、はては犯罪に関わったうえ「少年院」にて最長期間である2年の間、矯正教育を受けて退院。しかし、現在は育児放棄や、児童虐待問題に本気で取り組み、自ら立ち上げた「bae-ベイ-」というサイトのNPO法人化を目指して前向きに進んでいます。

そんな、本人が「歩んできた強烈なストーリー」が、出会った人々に衝撃を与え、さらにSNSから発信される、彼女の「本音としか思えないパーソナリティ」に共感し、トーク番組出演の時の「にじみ出る人柄と安定した対応力」に応援したくなる。という、まさにSNS時代の新しいアイドルの典型的なケースといえる存在です。

そして、そんなアイドルが話題になる瞬間とは「見たいものしか見ない」ネット環境で、「見たこともない情報(世界観)」に偶然出逢ったとき。

つまり、ネット環境でのアイドルとは、「アイドルを通して、見たこともない世界観との、偶然の出逢いの場」を提供する。という役割をも担っているのです。


「話題になってから」の、売れる法則とは

大量の情報があふれるネット社会では「アクが強い」情報には目が留まり、一時的に話題になることはあります。しかし、そこからファンを増やしたり、芸能人としてステップアップするためには、どうしても必要な力があります。

それは「巻き込み力」を持っていること

そして「巻き込み力」の発生源は「信頼」です

これだけ、デジタル技術やSNSが発達して、それを上手く使いこなせたとしても、それをキッカケに出会った方と「信頼関係を作れるかどうか」というアナログな関係こそが「売れるか消えるか」の大きなターニングポイントなのです。

そして最後のキーワードは「信頼関係」を築くベースになるもの。

それは、

「お互いへの尊敬の念」に、他なりません。




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