演技に「攻め」とか「守り」とかあるの?
ちょっとびっくりしますよね。
シナリオを読み込みナチュラルに演じることのみ必要であり、そこには「攻め」だの「守り」だのは必要ない。
それもまた一つの答えです。
ただし。
特別な個性や特徴がない役者がプロの俳優を目指すには「守り」だけの演技では、負けないことはできても、
「勝てない」のです!
じゃあ勝ち負けってなんなのか?
もちろん、
売れることこそ勝ち!
そこで、今回は、
「演技の攻めと守りについて」
をテーマにしてみました。
<攻めと守りの基本>
まずは基本的なお話から。
攻めるにしても守るにしても「土台」の部分がしっかりできていなければ、守ることも攻めることもできません。
「土台」とは関わる作品への「正しい理解」と、「深い役作り」です。
「正しい理解」と「深い役作り」については別の記事で綴っていますので、そちらもぜひ、合わせてご覧ください。
「深い役作り」(「俳優の役作りの正しい方法|台本が読めないと言われている方へ」)
いくら守りに徹しても、土台がグラグラではその上に建っているものは、ちょっとした揺さぶりでつぶれてしまいます。
いくら攻めたくても、その土台にふさわしい攻めでなければバランスの悪い演技になってしまうのです。
<守りの演技とは>
台本やシナリオを読み込んで作り込み、演出家もディレクターも見ているお客さんも「何らストーリーのジャマにもならず、違和感なく見られる」ど真ん中の正しい演技。
これが「守りの演技」です。
正しいです。
そして全体を通してみるに、基本的にはこの「守りの演技」が重要です。
ただし、この「守りの演技」だけで視聴率を上げたり、リピーターのお客さんを増やしたり、「あいつインパクトあったからもう一回出てもらおうよ。」と言ってもらえたりできるのは、業界でもトップクラスのモテ顔の持ち主だけです。
よほどのモテ顔や役に合った特殊な個性でない限り、「守りの演技」をしているあなたの役は、「あなたでなくてもよい」のです。
そこで、あなたの味付けで演じてみせる、あなたにしかできない「攻めの演技」が大事になってくるのです。
<攻めの演技とは>
では「攻めの演技」とは、どう創り出し表現していくのか。
「攻めの演技」とは、「守りの演技」プランで創ったど真ん中の演技の中心から、あなたの味付けを加えて「ズラす」ということです。
演技を「ラーメンの味」にたとえるならば、「ど真ん中」がだれもが想像する澄ました醤油ラーメンの味ならば、そこにあなただけの味付けで、こってりであったり辛かったりという、「その店でなければ味わえない」ものを創り出す。ということが「ズラす」ということなのです。
ここで大事なのが「どの方向にどの程度ズラすのか」ということです。
たとえば、他にはないほど辛かったり、こってりな味だったり、量がすごく多かったりすると、一度味わってやみつきになったファンが「このお店でなければダメだ。」というほどのリピーターになる。ということ。
でもここで難しいのは、ラーメンを求めて来られたお客さんに、ズラしすぎともいえるほどの「もはやラーメンと呼べないもの」を出してしまったらお客さんを裏切ることになります。
そこでズラし方の指針になるのが「土台」です。「基本」でもふれましたが「しっかりした土台」というのは、実は守るときよりもずっと「攻める」ときのほうが大事なのです。
その作品のテーマや世界観を正しくとらえて、その範囲内でズラしてこそ「本当の意味での攻めの演技」といえるのです。
そして、
「攻めるには、守るときより勇気がいります。」
しかし、関わる作品への「正しい理解」と、「深い役作り」に根差した「土台」がしっかりしていれば、一回や二回のダメ出しなどものともせず、ガンガン攻めていけるはずです。
そんな環境で創り上げられる演技こそ「攻めの演技」であり、それが「勝つこと」への突破口なのです。
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