俳優、声優、レポーター、司会者、すべてのジャンルにおいて、台本や戯曲やコンテを読んで、理解する力「読解力」というのが必要です。
なぜなら、台本とは他の出演者や演出家はもちろん、その作品にかかわるスタッフ全員がそれをもとに仕事をすすめる設計図だからです。
その設計図が理解できていない。または、まちがって理解してしまっている場合は、タレントにとって大きなハンデとなり「次の仕事につながらない」という厳しい現実が待ち受けることになります。
そこで今回は、
1>台本を読み込むとはどういうことか。
2>読解力をつけるにはどうすればいいのか。
ということをテーマに綴ります。
1>台本を読み込むとはどういうことか。
台本、戯曲、絵コンテ(CMなどで使われる4コマ漫画のような作画台本)は、ト書きと呼ばれる必要最低限の状況説明部分とセリフで構成されています。
そこには、必要最低限の説明と素材があるだけです。
たとえば、
作り方の説明書や、完成図がついていないプラモデルのパーツのようなもの。
はじめ全部のパーツをみて、そこから全体像(完成図)を想像して各パーツの存在理由を掘り下げるという作業が必要なのです。
ただし、まだ台本の中ではセリフ(パーツ)は素材の状態ですので、完成品の中の一部品となるように、丁寧に磨きあげて色付けや肉付けをしなくてはいけません。
その作品の完成図とそれぞれの部品のイメージをつかむこと。
これが台本を読み込むということです。
2>読解力をつけるにはどうすればいいのか。
それでは、どうすれば全体像(完成品)をイメージする力がつくのか
から、説明します。
それには、どれだけ多くの完成作品を知っているのか? ということに尽きます。
よく、「イメージがわかない」と言う方は、たいてい普段から多くの作品を観ていません。圧倒的に勉強不足なのです。
ただし、完成品だけを見続けていても、それはどんな台本から創り上げられたものかを知らなくては、「台本から完成品を想像すること」はなかなかできません。そこで、市販の台本や戯曲、ドラマのシナリオなどを読み、合わせて完成品を見る。ということに慣れておく必要があります。
では次に、どうやれば的確なパーツづくりができるのか
を、説明します。
まずは前提として、たとえセリフがない役でもその空間にいる以上、パーツとして存在しています。
そして前出の「素材」の状態とは、セリフの活字のままの状態です。
「・・・・・」
上記の文もこのままでは、活字のままの「素材」の状態です。
ここで全体の完成図からみて、なぜこの役は何もしゃべらないのだろう? 何を考えているのだろう? そしてセリフが書かれていない役はどう思っているのだろう?
それを考えるのが「台本を読み込む」ということなのは、前コーナーで書いた通りです。
しかし、そのシーンという一部分を見ただけで判断しては、それはそれは浅い読み込みにしかなりません。
深く読み込むためには2つの目線を持つ必要があります。
最初は、「台本を書いた作者の目線」です。
台本には一つとして「要らないシーン」や「要らないセリフ」そして「要らない役(たとえセリフがなくとも)」などないのです。
作者は、なぜこのシーンを書き、なぜこのセリフがあり、この役が要るのか。を作者目線で掘り下げる。
この目線を持つためには、台本を書く勉強をすることが一番です。(書く必要まではないと思いますが)
それができたら次は、「自分が演じる役の目線」です。
その台本という世界の中で、この役は今までどんな人生を送り、どんな人生観をもち、どう変わっていくのだろう。
そこを掘り下げて磨くことこそパーツ造りに他なりません。
そんなことはわかっているけど、できないで困っている?
そんな方は、これを思い出してください。
「愛する人」には、食べる時間も寝る時間も惜しんで、尽くしますよね。
「好きになった人」のことは、すごく興味がでて、表情や行動や人生観について読み解こうとしますよね。
「台本を読み込む」とは、
「その台本を愛する」ということであり、「与えられた役を好きになる」ということなのです。
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