ときどき見る夢があります。
今から舞台の本番なのに全くセリフが入っていなくて、どうしようかと悩む夢。
骨なしチキンこと、たちばな しんたろうです。
汗びっしょりで目が覚めてから、夢でよかったとほっとするのもつかの間、だいたいそういう夢をみるときは、緊張することや、ストレスのかかることが目の前に迫っている時なのです。
もともと暗記力が強くて、セリフを覚えるのも得意! というひとはいます。
しかし、ほとんどの場合、演じることは好きでも長い活字を覚えることは大変と思っているのではないでしょうか。
そこで今回は「セリフのおぼえかたのコツ」について綴りたいと思います。
セリフの覚え方のコツ
1>作品のテーマを把握しよう。
全体を読み込んで、その作品のテーマやゴールをしっかりと心にきざみこもう。
これは暗記ではなく探求心と好奇心で達成できることです。
2>自分のセリフの存在意義を把握しよう。
自分のセリフが、その作品全体のなかで「なぜ必要なのか」「自分がそのセリフをいうことでストーリーがどう動くのか」それぞれのセリフごとに把握しよう。
これは暗記力ではなく、台本の読解力です。
3>演じる役の気持ちの流れを把握しよう。
自分の演じる役が、自分のセリフや相手のセリフ・動きによって、どう気持ちが変化していくのか流れをつかもう。
暗記する前になるべく具体的に情景をイメージしながら、一回でも多く音読して体にいれていこう。
4>気持ちの流れを徹底的に覚えよう。
活字としてのセリフを覚える前に、自分が演じる役がその「作品中で与えられた役割」と、「気持ちの流れ」を徹底的に覚えることで、それがセリフを覚える土台になってくるのです。
土台をしっかりと作り、その土台の上に活字としてのセリフを載せていく。
それができれば、あとは短いセリフでも長いセリフでも、きっかけになる出だしの単語を覚えるだけで、自然にあとに続くセリフが出てくるようになります。
このやり方をするのには、メリットがいくつかあります。
活字として覚えてしまうと、現場でセリフが急に変わった時や、ライブステージでのアクシデントに順応しずらくなりますが、気持ちの流れで覚えていれば対応しやすくなります。
そして、土台がしっかりしているので、毎回違う相手のセリフや動きによって自分の役のキャラクターがブレてしまうこともありません。
連続ドラマのレギュラーともなれば、短期間ですごい量のセリフを覚えていく必要にせまられます。
冷や汗が出るほど大変な作業でありながら「できてあたりまえ」のことでもあるのです。
「セリフを覚えるコツ」
それは、決して暗記法のコツなどではなく、
台本を的確に読み、役作りや演技プランという、「セリフを載せる土台」をいかにしっかりと作るか。
ということに尽きるのです。
それができたとき、あなたから発するセリフは、セリフに縛られていた自分から出たものではなく、演じる役の内面から出てきた生きたセリフになるのです。
いづれにしても芸術の完成には近道はありません。しかし必ずや、努力した分だけゴールした時の達成感や感動は、他では味わえないものになるのです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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