決定力不足
なんとも胸にこたえる言葉です。
出演者を決めるためのオーディションに参加するものの、終わってみれば結果はいつもの通り不合格。参加者のなかには「オーディションあらし」と呼ばれるほど、決定力を持っているタレントもいるのに、自分との違いは何だろう。
「決定力」
タレントをめざすなら、当然持つべきものです。
これがスポーツならば大事な試合で勝つか負けるかでしょう。
テストであるならば、正解か不正解かでしょう。
しかし、芸術という答えのない世界での「決定力」とは何なのでしょう。
私自身も悩みつづけるこのテーマについて今回はちょっと目線を変えて
「選ぶ側の目線としての決定力」
について綴ってみます。
なぜオーディションをするのか
かなり省略して言いますと、
「知ってる中に、イメージや条件に合うタレントがいない」から。
もしくは、
「知らない中に、もっと合ってるタレントがいるのではないか」と思うから。
タレントに合わせて創られた作品や、知っている中にバッチリイメージや条件に合うタレントがいれば、オーディションはする必要ありません。
そこで、選ぶ側は先のような理由で時間や費用をかけて何人もの候補者に会って合格者を決めます。
選ぶ側の事情
オーディションを受ける側はとても緊張します。
「これが落ちれば、またマネージャーや事務所に叱られて家族や友人にがっかりされる。だから今回こそうまくやって受からなければ!」そう思えばこその緊張です。
しかし実は、選ぶ側にもストレスがあるのです。
「自分が選んだタレントで失敗したら、会社や関わったスタッフに迷惑がかかる。昇進にも自分の家族にも影響が出てしまう!」そういう責任を背負ってのこそのストレスです。
決定力のポイントは2つ
選ぶ側にとってオーディションとは、ほぼ初めてあった人を信頼して自分の「クビ」をかけて製作する作品の共同作業者を選ぶということです。
そこで、ポイントの一つ目は、「信頼できる人間」であること。社会常識やチームワークの大切さを理解できていない人に大切な役割を持たせることはできません。
ただし、みなさんが受け持つタレントの仕事とは決して「一言も間違えずに台本通りセリフをしゃべることが最優先」でもなければ「スケジュールのとおりに、毎回まったく同じ時間内で終わることが最優先」でもありません。出演タレントとしてのキャラクターや技術も選ぶ側にとっての条件になります。
そこでもうひとつのポイントは、「キャラクターや条件が演出イメージにバッチリ合うこと」と、言いたいところなのですが、実は選ぶ側が希望するキャラクターというのは、責任者の脳内にしか存在しないので「100%完璧に合うキャラクター」というのは、ほぼ実在しません。
そんな「正解のないタレント選びの現場」では、外見や声質などがイメージに近いという事柄は有利ではありますが、そんな条件をとび超えて出演者として決定する場面を、筆者は数多く経験してきました。
ここで、ポイントの2つ目です。
「このタレントなら、自分の想像以上のことをやってくれそうだ。」
「このタレントと、もっと他にも一緒に作品を作ってみたい。」
そう思わせることができるタレントこそが、決定力を持つタレントの不変の条件なのです。
それを身につけるためには「センスを磨く」「オーラを感じさせる」ということがとても大切なことになります。それぞれ別の記事で綴っていますので、よければそちらもご参考にしてください。
「答えのない世界」に飛び込んだものだけが知る、苦悩と悦びをこれからもぜひ楽しみましょう!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
タレントになりたい! talent27.com
#オーディションに受かるための決定力