エンターテイナーが魅せる空間を、私はこう表現してます。
「時間のかんづめ」
本当のエンターテイナーというものは、俳優やミュージシャンやダンサーなど、みずからの体を使って表現するアートはもちろんのこと、絵画やファッションデザインや美味しい料理を作るシェフにいたるまで、いろんな分野でわれわれを楽しませてくれます。
タレントをめざすみなさんにもあこがれのアーティストや、目標とするタレントさんがいるのではないでしょうか。
そんなみなさんもプロのアーティストとなって、みてくださる方を楽しませたいですよね。
では、いったいエンターテイナーってどうすれば、見ている人に楽しんでもらえるのか。楽しんでもらえるためのテッパン的考え方を、私のこれまでの経験と実践をもって綴ります。
今、日本映画があらためて盛り上がりをみせています。映画というのは2時間半の作品を撮るために相当な数のスタッフがかかわり、数か月(あるいは数年)かけて撮ります。それもたった数秒の1シーンを何回も撮り直して何時間も何日もかけることもあるのです。
失敗のできないライブや生の演劇やサーカスなどは、さらに本番の直前まで長い長い時間をかけて何回もくりかえし練習をつづけてステージという空間で二度とできない一瞬の表現をするのです。
あらゆるジャンルのエンターテインメントは、すべてそこにたどりつくまでに長い時間と、情熱と、人生と、アートへの愛情をかけて作品を完成させます。
そして見ているものは今表面に見えるものだけに魅せられるのではなく、ここまで完成させるにはどれだけの時間と、練習と、ストイックなまでの自己犠牲があったのであろうということがバックボーンとして見えるからこそ、危険なアクションやありえないパフォーマンスや考えられないほどの深い役作りを見せつけられても、安心してエンターテインメントとして楽しめるのです。
その作品作りのためにかける長い長い時間を、かんづめという入れ物にギュっととつめこんで、限界までつめこんでふたをする。
そのいっぱいにつめこまれたかんづめに、缶切りを入れる。そのときの「プシュッ!」という感覚こそが、エンターテインメントを感じるものの悦びではないでしょうか。
これだけいろんなメディアが登場しても、人が時間と情熱と人生までもかけて作った作品が、人の心を揺さぶり続けるのはいつの時代にも、そしてこれからも変わらないのです。
想像してください。あなたが時間をつめた「かんづめ」の向こうに見える、楽しそうな人たちの顔を。
これがあるから、エンターテイナーはやめられないのです!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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